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制作実績は何件載せるべきか。数ではなく、選んだ跡が読まれている

制作実績は何件載せるべきか。数ではなく、選んだ跡が読まれている

制作実績を何件載せるかで迷ったとき、多くの記事は「最低でも六件」と答えます。人が「多い」と感じ始めるのが六件からだ、という理屈です。この目安は間違っていません。ただし、六件を埋めることを目的にした瞬間、実績は数合わせに変わります。見る人が読んでいるのは件数ではなく、そこに選んだ跡が残っているかどうかです。

十二枚の写真から十一枚を外したことがあります。外した十一枚にも、それぞれ良さはありました。それでも並べなかったのは、悪くないものが横に並ぶほど、残した一枚まで「たまたま良かったもの」に見えてくるからです。

見る人は点数で信用を測らない。一件に何を賭けたかで測っている。

制作実績 掲載数の目安は六件。ただし下限として

まず、通説を否定するつもりはありません。実績が一件や二件しかないページは、確かに心もとなく見えます。相手は「たまたま上手くいった一件かもしれない」と考えますし、業種や規模の幅も読み取れません。六件という数字は、その不安を越えるための下限としては妥当です。

問題は、この目安が上限としても使われてしまうことです。六件を並べたら次は十件、十件の次は二十件と増えていく。ところが、選択肢が増えるほど人は選べなくなることも、同じ場所で語られています。ジャムの実験として知られる話です。増やすほど信頼されるという前提と、増やすほど選ばれなくなるという事実が、未解決のまま並んでいます。

この矛盾は、件数を数として扱っている限り解けません。六件が必要なのは「実績がある」を伝えるためで、それ以上を並べるのは「何でもできる」を伝えるためです。前者は信頼をつくりますが、後者は輪郭を溶かします。何でもできる相手には、何を頼めばよいのか分かりません。

ここを解くには、件数を「いくつ」ではなく「何のために」で決め直す必要があります。実績は在庫の一覧ではなく、これから誰と仕事をしたいかの宣言だからです。宣言だと考えると、増やす理由は急に減ります。

実績の選び方は、出来の悪いものを外すことではない

整理をするとき、多くの方は出来の悪いものから外します。ところが、それではほとんど印象が変わりません。

全体の温度を下げているのは、悪いものではなく「悪くないもの」のほうです。可もなく不可もない一件が三つ並ぶと、その平均値に向かって全体が引っ張られます。見る人は、いちばん良い一件ではなく、並び全体の平均で相手を測ります。だから最高傑作を一つ足すより、平均を下げている三つを外すほうが速く効きます。

外す基準は、質の高さではありません。「これが一件だけ残ったとして、それでも頼みたくなるか」。この問いに、はいと言えないものを外します。答えに迷ったものは、迷ったまま伝わります。

実際に手を動かすと、この基準はかなり厳しく効きます。手元の一覧から半分近くが落ちることも珍しくありません。落ちた側に共通しているのは、出来ではなく理由の弱さです。なぜその仕事を見せたいのかを一行で言えないものは、見る側にも伝わっていません。

もう一つ、外しにくいものがあります。付き合いの長い相手との仕事です。関係が続いていること自体が価値なので、外すと不義理に見える気がしてしまう。けれど実績のページは、感謝を伝える場所ではありません。これから来る人が、自分の依頼を重ねて想像するための場所です。関係の深さは、別の形で示せます。

選ぶ側が迷ったままの面は、迷ったまま届く。

ポートフォリオ何件が正解かは、いちばん上手くいった仕事では決まらない

売上がいちばん大きかった案件が、看板に向いているとは限りません。難易度が高かった仕事も同じです。それは作り手の記憶に残っているだけで、相手の判断材料にはなりにくい。

残すべきなのは、これから来てほしい相手が「これは自分の話だ」と思える一件です。過去でいちばん良かったものではなく、次を連れてくるものを前に置きます。この基準で並べ替えると、順番が変わるだけでなく、外すべきものが自然に決まります。

たとえば、価格よりも感性の相性で選ぶ相手に来てほしいなら、仕様が複雑だった案件より、判断の一貫性が見える案件を前に置きます。逆に、社内で稟議を通す必要がある相手に来てほしいなら、成果の構造が読み取れる案件が先です。同じ実績群でも、誰に向けるかで並びは変わります。

だから実績の整理は、順位づけの作業ではありません。誰と仕事をしたいかを決める作業です。ここを決めずに件数だけ減らすと、ただ寂しいページになります。減らすこと自体には力がありません。何を基準に減らしたかが伝わったときにだけ、少なさが強さに変わります。

ホームページの実績の見せ方は、件数より順番で決まる

実績を見る人は、更新の日付も同時に読んでいます。最新が二年前で止まっていれば、件数がいくつあっても「今は動いていないのかもしれない」と受け取られます。逆に、直近の一件が置かれているだけで、現在も選ばれている事業だと伝わります。

これは、古い仕事に価値がないという意味ではありません。並べる順番の問題です。前に置くのは新しいもの、奥に置くのは積み重ねたもの。この順番にしておくと、件数を増やさずに厚みだけを見せられます。

見せ方の細部も、順番と同じくらい効きます。一件あたりの画像を何枚にするか。説明を何行にするか。ここを全件そろえておくと、少ない件数でも整って見えます。逆に、力の入った案件だけ情報量が多いと、他が手抜きに見えてしまう。並びの中では、差そのものが意味として読まれます。

サイト 実績 多いほど良いという前提を外すと、運用そのものも軽くなります。全件を最新に保つ必要がなくなり、前に置く数件だけを手入れすればよくなるからです。維持できない量を抱えることが、更新の止まる最大の原因です。

更新できる見込みがないなら、日付を出さない設計にするか、そもそも件数を絞って一件ずつを深く見せる形にします。埋まらない枠を作ってしまうと、更新が止まった瞬間に、その空白が弱点として読まれます。

外したものは、消さずに移す

減らすことに抵抗が出るのは、消える気がするからです。実際には、置き場所を変えるだけで足ります。

表に出すのは絞った数、残りは一覧のページか、問い合わせをいただいた後にお見せする資料へ。興味を持った人だけが、深いところまで見られる形にしておきます。こうしておくと、減らす判断が怖くなくなります。捨てているのではなく、順番を決めているだけだからです。

この形にしておくと、増やしたくなったときにも困りません。表の枠を増やすのではなく、奥から一件を前へ動かす。枠の数を固定しておくほど、選ぶ緊張が保たれます。枠が可変だと、迷ったものを全部入れてしまい、また平均が下がります。

枠を固定すると、もう一つ副産物があります。次にどんな仕事を受けるべきかが、はっきりしてくることです。前に置きたい一件が作れない依頼は、条件が良くても事業を前に進めません。実績の枠は、過去を整理する道具であると同時に、これから何を引き受けるかの基準にもなります。

制作実績を何件載せるかという問いに、どの事業にも当てはまる正解はありません。ただ、決め方には順番があります。誰に来てほしいかを決め、その相手が自分の話だと思える一件を選び、平均を下げているものを外し、残りは移す。件数はその結果として決まります。

少なさは、それ自体では強さにならない。何を基準に減らしたかが見えたときだけ、強さに変わる。

最後に確かめるのは、件数ではありません。並んだ実績を上から順に見て、選んだ基準が一本通って見えるかどうかです。通っていれば三件でも足ります。通っていなければ、三十件あっても印象は薄いままです。

いま載せている実績を、来てほしい相手の目で一度だけ通して見てください。前に置くべき一件が変わったなら、そこが次に手を入れる場所です。

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