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写真の統一感の出し方。揃えるのではなく、毎回同じものを捨てる

写真の統一感の出し方。揃えるのではなく、毎回同じものを捨てる

写真の統一感の出し方を、足し算だと思っているうちは揃いません。全部に同じ加工を乗せるのではなく、毎回同じものを捨てる。捨てる基準が三つ決まった時点で、写真は勝手に一列に並びます。

検索すると、同じフィルターを使う、色調を合わせる、アプリでプリセットを組む、といった方法が並びます。どれも間違いではありません。ただ、それらは全部「足す」側の手当てで、揃わない原因は足りないことではなく、毎回違うものを残していることの方にあります。

同じプリセットをかけても揃わない写真があります。反対に、加工がばらばらでも一つのブランドに見える写真があります。差は、捨てているものが同じかどうかです。

揃えようとするほど、揃わなくなる

一枚ずつを良くしようとすると、写真はばらけます。この一枚は少し暗いから明るく、この一枚は寂しいから小物を足し、この一枚は顔が硬いから笑ってもらう。どれも単体では正しい判断で、並べると全部が別の日の写真になります。

一覧で見たときに食い違っているのは、たいてい色ではありません。ある一枚は真上から強い光が当たり、次の一枚は曇りの窓辺で撮られている。ある一枚は膝まで写り、次の一枚は顔だけが大きい。ある一枚の背景は白い壁で、次の一枚には棚と観葉植物と生活の気配が写っている。

成り立ちが違う写真に同じ色を乗せると、かえって粗が目立ちます。近づけた色が、成り立ちの違いを照らし出すからです。

統一感とは、色が同じことではなく、毎回同じものを諦めていることです。

捨てるもの①——光を、一つに絞る

最初に捨てるのは、光の選択肢です。高い位置から当てるのか、目線の高さから横に当てるのか。輪郭がはっきり出る硬い光か、影の縁がやわらかい光か。窓を使うなら、被写体の前に置くのか、真横に置くのか。

一つ選んだら、残りは全部捨てます。「今日は曇りだから」「この部屋は窓が反対だから」で変えない。変えた一枚が、後で列を壊します。

光を先に決めるのは、それが写真の中でいちばん早く伝わる情報だからです。見る人は被写体の名前を読む前に、その場所の空気を受け取っています。

決め方に迷ったら、いちばん条件の悪い日に再現できるかで選んでください。晴れた午後にしか作れない光は、基準になりません。曇りでも夕方でも同じ形で置ける光だけが、一年を通して列を保ちます。

捨てるもの②——背景の声量を、一段下げる

次に捨てるのは、背景に写ってよいものです。ここでよく起きるのは、背景を「きれいにする」ことと「静かにする」ことを取り違える間違いです。

背景がきれいでも、情報が多ければ声量は大きいままです。整った棚も、明るい観葉植物も、写り込んだ窓枠も、被写体と同じ大きさで話しかけてきます。逆に、汚れた壁や暗い床でも、余計なことを言わなければ静かです。

決めるのは、何を許すかではなく、何を写さないかです。無地だけにするのか。素材の質感までは許すのか。人の気配は入れないのか。一度決めたら、片付ける手間が惜しい日も守ります。

声量が揃うと、被写体が入れ替わっても写真は同じ列に並びます。商品でも人物でも、店舗の一角でも同じです。背景を静かにすることは、被写体を強くすることと同じ操作だからです。

捨てるもの③——距離を、一つに固定する

距離は、写真の礼儀です。近い写真は親密になり、遠い写真は敬意になります。それが一枚ごとに入れ替わると、ブランドの態度が揺れて見えます。

代表的な一枚を選び、そこに写っている範囲を基準にします。人物なら胸から上なのか、腰から上なのか、全身なのか。商品なら手のひらに収まる大きさなのか、机の上の景色なのか。

そのうえで、例外を一枚だけ許します。全部を同じ距離にすると、並べたときに単調になるからです。基準が一つあれば、例外は例外として効きます。基準がないまま距離が散らばると、それはただの不揃いです。

インスタ写真の統一感も、レタッチではなく選び方で決まる

九枚が同時に目に入る面では、一枚ずつは良くても、列にすると崩れが分かります。そこで写真の統一感をレタッチで作ろうとすると、たいてい足す方向に進みます。彩度を上げ、明瞭度を上げ、影を持ち上げて、粒子を乗せる。手数が増えるほど、写真は加工の癖で揃い、被写体で揃わなくなります。

本当に効くのは、その前です。撮った中から何を出さないかを決める。基準に合わない一枚は、単体でどれだけ良くても外す。惜しい一枚を残したせいで列が濁ることの方が、一枚少ないことより高くつきます。

そして、暗くすることを統一感と混同しないことです。暗い写真は雰囲気が出やすい一方、素材が読めなくなれば、それはブランドの黒ではなく、ただの潰れです。書き出した画像を実寸で開いて確かめてください。縮小した一覧では、粗さも潰れも小さくなって消えてしまいます。

加工を強くかけるほど、写真は撮影の癖ではなく処理の癖で揃うようになります。短期的には整って見えますが、機材や場所が変わった瞬間に崩れます。捨てる基準を撮影側に置いておけば、加工は軽くて済みます。

色は最後に、しかも「どこまで」だけを決める

写真の統一感を色から作ろうとすると、順番が逆になります。色は、光と背景と距離が揃った後で、最後に細部を合わせるための道具です。

色を決めるときも、方向より強さを見ます。多くの場合、揃わない原因は色の向きではありません。同じ寒色でも、一枚だけ深くかかっていれば、その一枚が浮きます。「どちらへ寄せるか」より「どこまで寄せるか」を決めてください。

判断の基準は、肌や素材がどう写るかです。人物なら血色が残るか。布なら織りが読めるか。木や金属なら、温度が伝わるか。そこが崩れない範囲までが、寄せてよい上限です。

三行に書いて、現場へ持っていく

過去の写真を撮り直す必要はありません。次に撮る一枚で、捨てるものを一つだけ決めてください。

光にするなら、窓は被写体の真横と決める。背景にするなら、無地以外は写さないと決める。距離にするなら、胸から上と決める。一つ守った写真が三枚たまると、四枚目からは自分でも揃え方が分かるようになります。

そして、その一つを言葉にして残してください。頭の中にあるうちは、忙しい日に消えます。「窓は真横」「背景は無地」「胸から上」。この三行が、撮影の場でいちばん強く働きます。

三行が紙になっていれば、外部のカメラマンや社内の別の担当も、同じ列に入る一枚を撮れます。属人的な感覚のままでは、その人が離れた日に列が途切れます。

そして、捨てるものを決めておくと、変えてよいものが自由になります。構図、季節、小物、表情、撮る時間帯。三つを守っているかぎり、そこは毎回変えてかまいません。多くのブランドが崩れるのは変化しすぎるからではなく、守るものと変えてよいものが分かれていないまま、毎回すべてを決め直しているからです。

写真の統一感は、揃える作業ではありません。毎回同じものを捨てられるかどうかです。

次の一枚から、始めてください。

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