言葉を増やすと、安心した気になります。
説明した。補足した。念を押した。理由も書いた。
けれど、画面の中で言葉が増えるほど、価値が濃くなるとは限りません。
むしろ、語りすぎた瞬間に、ブランドは少し近くなりすぎることがあります。
近くなりすぎると、余韻が消える。
余韻が消えると、価格の理由が軽くなる。
安く見せたいわけではないのに、言葉の量がブランドを安く見せてしまう。
そういう場面を、何度も見てきました。
言葉を減らすことは、価値を隠すことではありません。価値が立つ場所を、もう一度空けることです。
少ない言葉で伝えるには、度胸が要ります。
なぜなら、短い言葉には逃げ場がないからです。
曖昧な言い換えも、過剰な補足も、便利な装飾も使えない。
一文の角度、置く位置、前後の沈黙まで、すべてが見えてしまう。
だから本当は、言葉を減らすほど設計は難しくなります。
多い言葉は、信頼の代わりにならない
ブランドサイトやサービスページで、言葉が多くなる理由はよく分かります。
誤解されたくない。
不安を残したくない。
ちゃんとしていることを見せたい。
選ばれる理由を、全部置いておきたい。
その気持ちは自然です。
ただ、情報が多いことと、信頼できることは同じではありません。
むしろ読み手は、長い説明の中で少しずつ疲れていきます。
大切な言葉と、念のための言葉が混ざる。
思想と注意書きが同じ声量で並ぶ。
強いはずの一文が、周囲の説明に沈む。
そうなると、読者は価値を見失います。
読者が欲しいのは、すべての情報ではありません。
進んでいいと思える理由です。

