Noah
Veil
彼が見つめるのは、消えてゆくもの。設置・写真・生成映像・彫刻——媒体をまたぐ仕事を、ひと続きの暗がりとして配列しました。
ばらばらの媒体を、ひとつの闇で束ねる。
設置、写真、生成映像、彫刻——異なる速度と質感を持つ仕事が、何年分も。「私は、消えてゆくものに惹かれる」。その一点だけが、すべてを貫いていました。
求められたのは、作品を一覧に敷き詰めるポートフォリオではありません。媒体ごとにサムネイルを均一化すれば、彼の仕事は「作品集」に痩せてしまう。ばらばらの媒体を、質感を殺さずに、ひと続きの体験として束ねること。鍵は、作品そのものよりも、作品と作品の「あいだ」にありました。暗がりを、空白ではなく通路として設計する——それが、この場所に課された一点でした。
デザインとは、作品を並べることではなく、作品と作品のあいだに流れる時間を設計すること。この場所で下した判断を、一つずつ記録として残します。
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作品のあいだの闇を、作品として扱う。
一点ごとの余白ではなく、作品から次の作品へ渡る「暗がり」そのものを設計する。黒は空白ではなく、通り抜けるための通路。スクロールは、暗い展示室を歩く体験になる。
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一覧ではなく、配列で見せる。
均一なサムネイル格子を捨て、大小・緩急を持たせた一本の流れに組む。設置・写真・生成映像が交互に現れ、リズムが生まれる。カタログではなく、シネマのシークエンスとして。
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媒体ごとに、固有の時間を残す。
静止した設置、動く生成映像、連なる写真——それぞれに異なる速度と大きさを与え、一つの枠に均さない。枠が作品に従い、作品が枠に従わない。
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言葉を、入口として置く。
「私は、消えてゆくものに惹かれる」——彼の宣言は、キャプションではなく、くぐり抜ける入口として扱う。作品世界へ降りてゆく、その最初の一段に。
見せる設計より、
降りてゆく設計。
何を足さなかったかが、その体験の深さを決めます。没入を主題にした仕事だからこそ、明るさや便利さを、意図して手放しました。
制作年と点数の羅列点数や年号を前面に並べれば、作品は資料に痩せる。データではなく、闇と質感で立ち上げる。生成映像の自動再生開いた瞬間に動きをぶつけない。観る人が、その映像に「辿り着く」時間を残す。白い展示室のようなUI明るいギャラリーの白は、「光の緩やかな退き」という主題を裏切る。暗がりを最後まで崩さない。
開くと、暗い展示室の入口に立つ。スクロールのたびに、設置が、写真が、映像が、闇の中からゆっくり現れては、また闇へ還ってゆきます。作品と作品のあいだの黒は、もう空白ではなく、次へ渡るための通路になっている。急がず、明るくもなく——ただ、消えてゆくものの前に立ち会う時間だけが、一続きに流れています。
ばらばらだった媒体が、一つの呼吸で繋がること。それが、この仕事の達成でした。
※アクセス数や受注といった成果指標は、この欄には置きません。媒体をまたいでも没入が途切れなかったこと——その一点を、私たちはこの仕事の達成と考えています。