画面をきれいに整えるだけなら、制作はもっと短くできます。テンプレートを選び、写真を置き、会社情報とサービスを並べれば、形にはなる。しかし、ブランドサイトに求められるのは「情報があること」ではありません。比較の途中で思い出され、もう一度戻ってきてもらうことです。そのためには、完成画面より前に決めることがあります。
ブランドサイトは、ページを作る仕事ではない。信じる順番を設計する仕事です。
1. 目的と、来てほしい人を決める
最初の工程は、サイトの目的を一つに絞ることです。認知を広げたい、問い合わせを増やしたい、価格への納得をつくりたい、作品を見せたい。目的が複数あるのは自然ですが、すべてを同じ強さで置くと、最初の画面が説明で埋まります。
「誰に来てほしいか」も、年齢や業種だけでは足りません。どんな不安を抱え、何を比較し、どの瞬間に相談をためらう人なのかまで置きます。たとえば、価格よりも感性の相性を重視する人と、社内説明のために根拠を求める人では、必要な順番が違います。前者には世界観と判断の一貫性を先に見せ、後者には工程と実績の構造を早めに渡します。
ここで決めるのは、顧客像を飾るプロフィールではありません。トップページの一枚目に何を置き、何を置かないかを決められるほど具体的な相手です。目的と相手が曖昧なまま進むと、デザインの修正に見えて、実際には方針の修正を何度も繰り返すことになります。
目的は数値だけでも不十分です。「問い合わせを増やす」だけなら、強いボタンを増やせばよいという話になります。どんな理解を経て、どんな期待を持った人から相談が来てほしいのか。そこまで決めると、ブランドの格を落とさずに成果へつなぐ導線が見えてきます。

