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会社案内のデザイン。表紙を考えるほど、中身は決まらなくなる

会社案内のデザイン。表紙を考えるほど、中身は決まらなくなる

会社案内のデザインで最初に決めるのは、表紙の絵柄ではありません。何ページにするかと、どの順番で読ませるかです。参考になる会社案内をいくつ集めても決まらなかったものが、この二つを決めた瞬間に決まります。

表紙から考えはじめた会社案内は、たいてい途中で止まります。表紙は中身の要約なので、中身が決まっていない段階では、要約のしようがないからです。

そして、止まったまま時間だけが過ぎたときに出てくる案は、どこかで見たことのある構図になります。決められないから、決まっているものを借りる。会社案内が似てしまう原因のほとんどは、この順番の狂いにあります。

会社案内のパンフレットの構成は、何ページ必要か

会社案内のパンフレットの構成で迷ったら、ページ数を先に固定してください。

印刷の都合で、冊子は四の倍数でしか作れません。八ページ、十二ページ、十六ページ。この三つのどれかを最初に選ぶと、載せるものと載せないものが自動的に分かれます。枠を決めずに内容を集めると、集めた全部が「必要」に見えます。

多くの会社にとって、実際に必要なのは八ページです。表紙、代表の言葉、事業の内容が二つか三つ、実績、会社の情報、裏表紙。これで埋まります。十二ページ以上が要るのは、事業が複数の柱に分かれていて、それぞれに別の説明が必要な場合だけです。

ページ数が決まると、次に決まるのは順番です。順番は、読み手が知りたい順ではなく、読み手が信じられるようになる順で並べます。何をしている会社かを先に、なぜそれができるのかを次に、誰がやっているのかを最後に。逆にすると、まだ信用していない相手の自己紹介から読まされることになります。

ページは一枚ずつではなく、見開きで数えてください。読み手が一度に見るのは、常に左右の二ページです。片方に写真、片方に文章、という組み方を先に決めておくと、あとから内容が増えても崩れません。ページ単位で設計した冊子は、刷り上がって初めて左右がちぐはぐだと分かります。

黒い紙を並べる二本の手

おしゃれな会社案内が、置かれたまま読まれないことがある

おしゃれな会社案内を作りたい、という言葉で始まる相談は多いのですが、その言葉のままで作ると外れます。

冊子は、画面と違って受け取られ方が決まっています。手渡され、鞄に入り、机に置かれ、数日後にもう一度開かれる。二度目に開かれたときに何が読めるかで、その会社案内の価値は決まります。一度目に「きれいだ」と思われることではありません。

二度目に読まれる冊子には、共通点があります。どのページを開いても、そのページだけで意味が通る。見開きごとに主題が一つで、前のページを覚えていなくても読める。逆に、最初から順に読まないと分からない構成にすると、二度目は開かれません。

会社案内は、最初から最後まで読まれる本ではありません。
どこかの一枚だけが読まれる紙です。

装飾を減らすのは、上品にするためではありません。二度目に開いたときに、探しているものが早く見つかるようにするためです。

黒い背景で腕を組む男性

会社案内のデザイン費用は、絵ではなく範囲で決まる

会社案内のデザイン費用の見積もりが会社によって何倍も違うのは、腕の差ではなく、含まれている範囲の差です。

含まれ方には段階があります。支給された文章と写真を並べる。構成から一緒に決める。取材して文章も書く。撮影まで行う。最初と最後では作業量が数倍違い、金額もそのまま数倍違います。見積もりを比べるときは、金額ではなくこの段階を比べてください。

もう一つ、金額を動かすのはページ数ではなく版の数です。同じ八ページでも、全ページが違うレイアウトなら八種類の設計が要り、事業紹介が同じ型の繰り返しなら三種類で済みます。ページを増やすより、型を増やすほうが高くつきます。

紙と加工も金額に効きますが、ここは最後に決めて構いません。同じ版面でも、光沢のない厚い紙に刷るだけで印象は変わります。逆に、箔押しや型抜きのような加工は、版面が弱いままだと弱さのほうを目立たせます。加工は、良いものをさらに良くはしますが、決まっていないものを決めてはくれません。

印刷費は別の枠で考えます。デザイン費が一度きりなのに対し、印刷費は刷るたびに発生します。千部を一度に刷るより、二百部を刷って一年後に直すほうが、たいてい安く収まります。会社案内は、作った翌年に必ず古くなる箇所があるからです。

コンクリート壁の前の女性の横顔

表紙は、最後に決まる

表紙に何を置くかは、中身が全部決まってから考えます。

表紙の役割は一つだけです。机の上に置かれた状態から、もう一度手に取らせること。そのために必要なのは情報量ではありません。社名と、何をしている会社かが一行で分かること。この二つが読めれば、表紙は成立しています。

事業の内容を表紙に並べたくなりますが、並べるほど読まれません。文字の多い表紙は、少し離れると灰色の面になります。表紙は、腕を伸ばした距離で見られます。手元で判断すると、必ず入れすぎます。

写真を使うなら、一枚だけにしてください。複数の写真を組み合わせた表紙は、どの事業が主なのかを曖昧にします。何も決めていないように見える、という意味では、これが一番危険です。

表紙で説明を始めた会社案内は、中身を読まれません。
説明は中にあります。表紙にあるのは、開く理由だけです。
窓辺の卓に置かれた白い紙束

会社案内の作り方は、集める順番で決まる

会社案内の作り方でつまずくのは、たいてい素材を集める段階です。

先に集めるのは、写真ではなく数字と事実です。設立年、拠点、人数、取引先の業種、代表的な仕事の内容。これらは解釈で変わらないので、先に固めても無駄になりません。文章と写真は、この骨組みが立ってから集めます。逆にすると、集まった写真に合わせて文章を書くことになり、言いたいことが後回しになります。

写真は、新しく撮るものと、あるもので済ませるものを最初に分けてください。全部を撮り直そうとすると、その日から数週間止まります。実際に撮り直しが要るのは、たいてい代表の一枚と、事業を象徴する一枚だけです。

そして、原稿は一度に全部書かないでください。見開き一つぶんを書いて、その分量が実際に収まるかを先に確かめる。紙の面積は決まっています。書いてから削るより、入る量を知ってから書くほうが早く終わります。

校正は、画面ではなく紙で行ってください。実寸で刷って机に置くと、画面では気づかなかった余白の詰まりと、写真の暗さがすぐに分かります。会社案内は紙で読まれるので、合否も紙で出します。

会社案内は、渡す場面から逆算する

会社案内を作る前に、それがどこで渡されるかを一つに決めてください。

展示会で立ったまま渡すのか、商談の席で開きながら説明するのか、郵送で先に届くのか。この三つでは、必要な冊子がまったく違います。立ったまま渡すなら薄くて軽いものが要り、説明しながら開くなら順番が要り、先に届くなら一人で読めることが要ります。

三つ全部に対応させようとすると、どれにも合わないものができます。一つに決めて、残りは別の紙で補う。一枚のリーフレット、会社案内、封筒に収まる簡単な案内。役割を分けたほうが、結局は安く仕上がります。

会社案内のデザインは、そこまで決まってから始まります。順番と、枚数と、渡す場面。この三つが決まっていれば、あとは静かに組むだけです。決まっていなければ、どれだけ美しく組んでも、それは決めていないことを美しく見せているだけになります。

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ページの順番から、一緒に決めます

載せるものが決まらないまま、表紙の案だけが増えている。そのときは、順番を決めるところから引き受けます。LINEにご登録いただいた方には、ブランドのための方向性を一枚、お描きします。

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