前の人は三十秒で帰りたい。後の人は、三分いても足りない。コーポレートサイトとブランドサイトの違いは、この二人のどちらを先に迎えるかの違いです。
ページの数や、デザインの豪華さで分ける話ではありません。来る人が、何をしに来たか。そこが決まると、載せる情報の順番も、写真の大きさも、文字の量も、自然に決まっていきます。
この記事では、コーポレートサイト、ブランドサイト、サービスサイト、LPの四つを、「来る人」と「その人の用事」で分けていきます。読み終えたら、ご自分の会社に今いちばん要るのがどれかを、一行で言えるようになります。
コーポレートサイトとブランドサイトの違いは、「来る人の用事」にある
コーポレートサイトに来る人の用事は、確かめることです。この会社は実在するか。どこにあるか。誰が代表で、何年続いているか。取引先、採用の応募者、金融機関、取材の記者。立場は違っても、みな「信用してよいか」を確かめに来ています。
だからコーポレートサイトでは、探している情報にすぐ届くことが一番の仕事になります。会社概要、事業内容、沿革、お問い合わせ。並びは素っ気ないくらいで構いません。迷わせないことが、そのまま信用になります。
コーポレートサイトの写真は、世界観より実在の手触りを優先します。社屋、働く人、作っている手元。整えすぎた写真は、確かめに来た人の目には、かえって遠く見えます。
ブランドサイトに来る人の用事は、好きになることです。正確には、好きになれるかを確かめに来ています。この商品は自分のためのものか。この世界に、自分は入っていけるか。
こちらでは、情報にすぐ届くことより、届くまでの時間が仕事をします。一枚目の写真の光、余白の取り方、言葉の温度。会社概要は、ページのいちばん下に小さくあれば足ります。
コーポレートサイトは疑いを消す場所で、ブランドサイトは欲しさを生む場所です。
同じ会社のサイトでも、この二つの用事を一つのトップページで同時に満たそうとすると、どちらにも中途半端になります。取引先は写真をかき分けて会社概要を探し、お客さまは沿革の文字の前で帰ってしまいます。

