一日の相場ではなく、一年に必要な枚数で考える
見積もりを一日いくらで見ると、判断を誤ります。写真は一日で終わる買い物ではないからです。
サイトに載る写真は、公開してから一年のあいだに必ず何枚か入れ替わります。人が替わり、商品が替わり、季節が変わる。そこを織り込まずに一日分だけを買うと、半年後に「あと三枚だけ」という一番割高な発注をすることになります。移動も準備も、三枚のために丸ごと一度発生するからです。
だから最初に見積もるのは、一日の値段ではなく、一年に必要な枚数です。今すぐ要る十枚と、半年後に要りそうな五枚。後者が見えていれば、同じ日に撮っておけます。一年分をまとめた時の一枚あたりの金額は、たいてい半分以下になります。
数えるのは難しくありません。人物、商品、場所、この三つについて「一年で入れ替わりそうなもの」を指で数えるだけです。正確でなくて構いません。ゼロで見積もるのと、五で見積もるのとでは、金額の設計がまるで変わります。
追加費用は、たいてい同じ三箇所から出る
一つ目は、撮り直し。用途が決まっていなかったために、余白が足りない、縦がない、顔の向きが揃わない。二つ目は、素材の不足。当日になって商品が届いていない、着るものが決まっていない、場所の許可が下りていない。三つ目は、公開後の差し替え。人が入れ替わった、商品が変わった、季節が過ぎた。
三つとも、撮影の腕とは関係がありません。前の工程が決まっていれば起きないものばかりです。
特に三つ目は、最初から計画に入れておく方が安く済みます。一年後に何枚差し替わるかを見積もっておけば、その分は同じ日にまとめて撮れます。別の日にもう一度集まるより、ずっと安い。
撮らずに済ませられるものを、先に外す
撮影の費用を下げるいちばん確実な方法は、値切ることではなく、撮る対象を減らすことです。
サイトに並ぶ写真の何割かは、実は「そこに何かないと寂しい」という理由だけで置かれています。それらは撮らなくていい。余白のまま残した方が、残りの一枚が強くなります。
必要だが撮れないもの——まだ存在しない商品、季節が違う風景、押さえられない場所——については、生成した画像で成立させる選択もあります。ただしこれは安く済ませるための代替ではありません。基準を一つ決めて、光と距離と色を全て揃えられるという別の利点があるだけです。撮った写真と混ぜるなら、混ぜても一つに見えるところまで揃えるのが条件になります。
減らす順番も決まっています。まず、同じことを二度言っている写真を外す。次に、文章で足りているところの写真を外す。最後に残ったものが、その事業が本当に見せなければならないものです。たいていの場合、思っていた半分になります。
減らして、揃える。この二つで、費用と見え方は同じ方向に動きます。
料金は、撮影に払っているのではない
ホームページの写真撮影の料金を決めているのは、当日ではありません。用途を決めたか、点数を数えたか、権利を確かめたか。撮る前の一時間が、見積書の桁を動かします。
写真が高くつくのは、上手く撮れなかった時ではありません。何のために撮るのかが決まっていなかった時です。
決めてから、撮る。順番はそれだけです。