Journal

ホームページの写真撮影の料金は、枚数では決まらない

ホームページの写真撮影の料金は、枚数では決まらない

ホームページの写真撮影の料金は、撮影時間や枚数ではなく、撮る前に何が決まっているかでほとんど決まります。用途、点数、権利。この三つが空白のまま見積もりを取ると、金額には必ず余白が乗ります。

同じ内容で三社に聞いて、五万円と三十万円が並ぶ。よくあることです。腕の差だと思われがちですが、実際に開いているのは前提の差です。片方は「一日撮る」を見積もり、もう片方は「サイトが完成する状態まで」を見積もっています。

そして撮影の費用がいちばん膨らむのは、追加で撮った時ではありません。撮ったものが使えなかった時です。

見積もりの幅は、腕ではなく前提から出ている

写真の見積書に並ぶのは、拘束時間、機材、人数、そして「レタッチ一式」。この一式が、金額の幅のほとんどを作っています。

一式の中身は会社によって違います。色を整えるところまでを一式と呼ぶところもあれば、切り抜き、背景の伸ばし、不要物の除去、サイズ違いの書き出しまでを含むところもある。前者で契約して後者を期待すると、公開の直前に見積もりがもう一度届きます。

だから確認するのは総額ではなく、その一式に何が入っていて、何が入っていないかです。ここを一行ずつ照らし合わせるだけで、三社の金額はだいたい同じ場所に集まります。安いのではなく、範囲が狭いだけだった、という結論になることが多い。

金額を比べる前に、範囲を揃える。順番はこれだけです。

ホームページの写真撮影の依頼で、先に決めておく三つ

依頼の前に決めるのは、テイストではありません。次の三つです。

一つ、用途。トップの横長の一枚なのか、一覧に並ぶ正方形なのか、文章の間に挟む縦なのか。同じ被写体でも、必要な余白の位置が変わります。撮影後の切り抜きでは作れない余白があります。

二つ、点数。「多めに」は最も高くつく指定です。使う場所を数えれば、必要な枚数はたいてい思ったより少ない。十枚で足りるものを五十枚撮ると、費用は撮影よりも選別と仕上げで増えます。

三つ、権利と期間。サイトだけなのか、印刷物やSNSにも使うのか。何年使うのか。人物が写るなら、その人の許可はどこまで取れているのか。ここが曖昧なまま公開すると、数年後に一枚ずつ差し替える作業が発生します。

この三つを一枚の紙にして渡すと、見積もりの精度が変わります。何を任されたか分かっている依頼には、保険の金額が乗りません。

相見積もりは、同じ一枚の紙を三社に渡す

三社から取ること自体は良い方法です。ただし、渡す紙が三社とも違っていれば、返ってくる金額を比べる意味はありません。

渡すのは一枚で足ります。用途ごとの必要点数、公開日、使う範囲と年数、当日こちらが用意できるもの。この四つが同じ紙に載っていれば、三社は同じ問いに答えることになります。そこで初めて、金額の差は「その会社の考え方の差」になります。

そして返ってきた見積書は、総額の欄ではなく、書かれていない項目を見てください。撮り直しの扱い、データの納品形式、修正の回数、著作権の帰属。書いていない会社が不誠実なのではなく、聞かれなかったから書いていないだけです。こちらが先に紙で聞いていれば、全社が同じ欄を埋めてきます。

安い会社を選ぶための作業ではありません。同じものを比べられる状態を作るための作業です。ここに三十分かけると、後の数十万円が動きます。

プロに頼むべきか、自分で撮るか

全部をプロに頼む必要はありません。分かれ目は、機材でも技術でもなく、その一枚が「判断」を担っているかどうかです。

最初に目に入る一枚、価格の隣に置く一枚、人を紹介する一枚。この三種類は、見た人がそこで決めます。ここだけは他人の目を入れてください。逆に、資料的な写真、途中経過、細部の補足は、明るい場所で丁寧に撮れば十分に働きます。

自分で撮るなら、上手く撮ろうとしないことです。光を一つに絞り、背景の声量を下げ、距離を固定する。この三つを守った素朴な写真は、凝った失敗作よりずっと強く見えます。揃っているものは、それだけで整って見えます。

判断の一枚に予算を寄せて、残りは自分たちで揃える。この配分が、いちばん少ない金額でいちばん良く見えます。

一日の相場ではなく、一年に必要な枚数で考える

見積もりを一日いくらで見ると、判断を誤ります。写真は一日で終わる買い物ではないからです。

サイトに載る写真は、公開してから一年のあいだに必ず何枚か入れ替わります。人が替わり、商品が替わり、季節が変わる。そこを織り込まずに一日分だけを買うと、半年後に「あと三枚だけ」という一番割高な発注をすることになります。移動も準備も、三枚のために丸ごと一度発生するからです。

だから最初に見積もるのは、一日の値段ではなく、一年に必要な枚数です。今すぐ要る十枚と、半年後に要りそうな五枚。後者が見えていれば、同じ日に撮っておけます。一年分をまとめた時の一枚あたりの金額は、たいてい半分以下になります。

数えるのは難しくありません。人物、商品、場所、この三つについて「一年で入れ替わりそうなもの」を指で数えるだけです。正確でなくて構いません。ゼロで見積もるのと、五で見積もるのとでは、金額の設計がまるで変わります。

追加費用は、たいてい同じ三箇所から出る

一つ目は、撮り直し。用途が決まっていなかったために、余白が足りない、縦がない、顔の向きが揃わない。二つ目は、素材の不足。当日になって商品が届いていない、着るものが決まっていない、場所の許可が下りていない。三つ目は、公開後の差し替え。人が入れ替わった、商品が変わった、季節が過ぎた。

三つとも、撮影の腕とは関係がありません。前の工程が決まっていれば起きないものばかりです。

特に三つ目は、最初から計画に入れておく方が安く済みます。一年後に何枚差し替わるかを見積もっておけば、その分は同じ日にまとめて撮れます。別の日にもう一度集まるより、ずっと安い。

撮らずに済ませられるものを、先に外す

撮影の費用を下げるいちばん確実な方法は、値切ることではなく、撮る対象を減らすことです。

サイトに並ぶ写真の何割かは、実は「そこに何かないと寂しい」という理由だけで置かれています。それらは撮らなくていい。余白のまま残した方が、残りの一枚が強くなります。

必要だが撮れないもの——まだ存在しない商品、季節が違う風景、押さえられない場所——については、生成した画像で成立させる選択もあります。ただしこれは安く済ませるための代替ではありません。基準を一つ決めて、光と距離と色を全て揃えられるという別の利点があるだけです。撮った写真と混ぜるなら、混ぜても一つに見えるところまで揃えるのが条件になります。

減らす順番も決まっています。まず、同じことを二度言っている写真を外す。次に、文章で足りているところの写真を外す。最後に残ったものが、その事業が本当に見せなければならないものです。たいていの場合、思っていた半分になります。

減らして、揃える。この二つで、費用と見え方は同じ方向に動きます。

料金は、撮影に払っているのではない

ホームページの写真撮影の料金を決めているのは、当日ではありません。用途を決めたか、点数を数えたか、権利を確かめたか。撮る前の一時間が、見積書の桁を動かします。

写真が高くつくのは、上手く撮れなかった時ではありません。何のために撮るのかが決まっていなかった時です。

決めてから、撮る。順番はそれだけです。

Read next
写真の統一感の出し方。揃えるのではなく、毎回同じものを捨てる
写真の余白は、撮影後にはつくれない
Journal 一覧へ
Brand Direction

撮る前に、決める。

用途と点数と権利を先に決めてから、写真の話を始めます。LINEにご登録いただいた方には、ブランドのための方向性を一枚、お描きします。

LINEで受け取る